【皮膚科医が解説】もしかして疥癬?家族で同じ症状が出たら要注意!

皮膚科

■ はじめに:実際にあった“見逃しやすい疥癬”の症例

先日、久しぶりに 疥癬(かいせん) の患者さんが来院されました。

高齢の男性ですが、施設入所などなく、奥さまと二人暮らしのとても元気な方です。

診察してみると、

体や腕・脚に赤みや引っかき傷が広がり、一見湿疹のよう。

ところが、診察中に男性がふとおっしゃった一言で、一気に“ビビビッ”ときました。

「妻も同じ症状なんです」

皮膚科医としては、このワードは最重要サイン‼️

皮膚の角質を取り、顕微鏡で確認すると——

やはり ヒゼンダニ(疥癬の原因ダニ) を発見しました💡

ストロメクトール®(イベルメクチン) を内服していただき、症状は改善。

奥さまにも来院していただき、同じく治療を開始したところ、お二人とも順調に良くなりました。

「湿疹だと思っていたけど、実は疥癬だった」というケース、実はよくあります。

ここからは、疥癬とは何か、症状・治療方法、そして家庭での対応までまとめていきます。

疥癬とは?原因と感染経路をやさしく解説

疥癬は ヒゼンダニ という全長0.3~0.4mmほどの小さなダニが、皮膚の角層に寄生して生じる感染症です。

■ 原因

• ヒゼンダニが皮膚の角層にトンネル(疥癬行路)を掘る

• その刺激や排泄物に対してアレルギー反応が起こる

激しいかゆみ湿疹様の皮疹 が出ます

■ 感染経路

基本は 皮膚と皮膚の接触 で感染します。

• 同じ布団で寝ている

• 介護や清拭

• 長時間の肌接触

このような場面で感染しやすくなります。

※短時間触れた程度では通常うつりにくいです。

疥癬の症状:湿疹みたいな症状

■ 主な症状

とくに夜に強くなるかゆみ

指の間の小さな赤いぶつぶつ(丘疹)

疥癬トンネル(白く細い線状)

• かき壊した湿疹

手指・手首・腕・お腹・脇・お尻などに出やすく、湿疹と非常に似ています。

■ 家族で同時に症状が出るときは要注意

湿疹は基本的に「うつる」病気ではありませんが、

疥癬は接触感染するため、家族に同じ症状が出るのは大きな手がかり です。

治療:飲み薬と外用でしっかり駆除

通常疥癬で成人の場合、日本では以下の治療が中心です。

■ ① イベルメクチン(ストロメクトール®)内服

• 効果が高く、飲みやすい

• 多くの場合 1回内服+1~2週間後に追加1回

•内服が難しい場合、フェノトリンローション(スミスリンローション®)を塗布することも

■ ② 外用治療

• クロタミトン外用(オイラックス®)

■ ③ かゆみの治療

• 抗ヒスタミン薬

治療を始めると 数日で感染性は下がる ので、周囲にうつす心配も早期に軽減します。

日常生活での対策:やりすぎ注意!

通常疥癬の場合、家庭での対策は シンプルでOK です。

■ 布団・衣類

• 基本は 普通に洗濯して乾燥機にかければ十分。その後掃除機をかけると尚良し!

• 洗えないものは ビニール袋に入れて48~72時間放置 でダニが死滅(ヒトの皮膚から離れたら3日で死にます)

• 布団や家具を捨てる必要はありません

■ 掃除

• 床・布団周りに 掃除機をかける程度でOK

• 殺虫剤は不要(むしろ皮膚炎の原因になります)

※角化型ではピレスロイド系殺虫剤を使用することもあります。

■ 家族への対応

• 同じ布団で寝ている人は要注意

• ピンポン感染を防ぐために一斉に治療が必要と判断した場合は、医師の判断で家族同時治療を行うこともあります!

• まずは皮膚科を受診しましょう。

ポイント:通常疥癬は「過度な消毒や洗浄は必要なし」!

患者さんが疲弊してしまうので、必要最低限の対応で十分です。

まとめ

• 疥癬はヒゼンダニが原因の皮膚感染症

• 夜に強いかゆみ+湿疹様のぶつぶつが特徴

• 家族で同じ症状がある時は要注意

• 治療すれば数日で感染性が下がり、必ず治る

• 布団は洗濯+乾燥でOK、掃除は軽めでよい

湿疹だと思っていても、実は疥癬というケースは珍しくありません。

「家族も同じ症状が出た」と感じたら、早めに皮膚科で相談してくださいね。

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